「コットンと木、やわらかいものと固いものが一つの言葉の中にあるっておもしろいでしょー」と話すのは、どことなく都会の雰囲気が漂うオーナーの日名子愛さん。
白を基調にした店内はとにかくセンスが良い。
「そのセンスはどこから?」とのしつもんには簡潔に答えてくれた。
「実は、人の真似をよくしてます」
自分のセンスがいいと思わないし自信もないし、人にプレゼントを選ぶのもとても苦手だという。インテリア雑誌やピンタレスト(アプリ)が好きでよく見ると教えてくれた。
ふと入った店で、冷蔵庫にある外国製のビールたちがきちんと整頓され収まっている。そんな様子を見たら誰でも、「この店はきっといい店だ」と思ってしまうだろう。私は思った。
興味がつきず、さらに質問を投げかけてみる。
「お店の経営で何を一番大切にしてますか?」
「とらわれずに良いと思ったことを取り入れること。また、したくないことはしないことです」
またしても、明朗なお答え。
「大人が楽しめる店、学生さんもちょっと背伸びしてきてくれたらいいな」と愛さん。
「別府でお店を始めたきっかけは?」
「40歳まで兵庫県で生活をしていました。
二回目の結婚に向けて婚活をがんばりましたがご縁がなく、仕事は楽しかったのですがこの先の10年を考えると変化が必要だと思いました。
それで、40歳を機に別府に戻ったんです。はじめはスナックをはじめようとしたんですが色々と考えが変わって、カフェバーというかたちで「コットンウッド」をオープンしました。
でも、正直なところ……転職のための就活をもうしたくないという気持ちが大きかったです。
離婚後、専業主婦からの就職はとてもとても苦労しましたから」
愛さんの話によると、明らかに私が想像していた年齢を超えている計算になってしまい、お世辞ではなく驚いた。
「自分の人生に影響を与えた人は?」
「やはり、私を産み育てた両親と、生活を共にした元主人です。
天国で、神様に会えたらナイスキャスティングでしたとお礼を言うと思います」
朗らかに笑う愛さんの笑顔は、この店の白い壁に一段と映えた。
Cottonwood番外編
ケーキを焼いて「Cottonwood」に持ち込むのは北川晶子(きたがわしょうこ)さん。可愛らしいお菓子職人かと思いきや、経歴を聞いて驚いた。
「うちはもともとシャーマンの家系なんです。今は「MAKIKURU」という店舗を持たないお菓子職人をしています。以前は別府北高架商店街で、カフェ「ふくわここ」を開き、そこで水晶占いもやってたんです。
そのれより前は、くじゅうの法華院温泉で住み込みのアルバイトしてましたよ。その時に猟師さんが持ち込む鹿肉などを調理して、ジビエ料理もしてみたりしましたね」
彼女の歴史に登場するキーワードが鮮烈すぎて、話の途中で何度も「え!」と叫んだ私は、確実にお店のムードを壊していた。
可憐な印象の晶子さんは、毎年時間があれば「べっぷ鶴見岳一気登山 いだてん天狗タイムレース」に参加し、2時間半でスパビーチから鶴見岳山頂まで駆け上がるというから、私は「え!」の声も出し尽くした。
そして私の目の前には、きれいに飾られた「ブランデーシフォンのメープルがけ」が出てきた。食べる前の儀式、写真撮影のシャッターが止まらなかった。
お味については語らずとも伝わるはず。
今日は、イギリス人の知人が故郷を思い出したと言ってた「ホットアップルシナモン」を注文したが、次回は「ラムレーズンのベイクドチーズケーキ」とコーヒーだなあ。と考えながら、駅前通りを歩く人を眺めた。
BE@BEPPUおすすめメニュー
ラムレーズンのベイクドチーズケーキ
ケーキセットは1,000円から。
ラムレーズンとチーズの味がこれ以上ないぐらいのマッチング。
sharing a table COTTONWOOD(コットンウッド)の情報
住所 | 大分県別府市北浜1丁目2-12ブルーバード会館1F |
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電話番号 | 090-8393-7050 |
営業時間 | 14:00-深夜0:00 |
定休日 | 月曜日 |