嫌いなもの
蛇、ムカデ、話が長くてオチがない人、インスタグラムのハッシュタグ、漢字の多い契約書。
この間、志高湖からおじか山に登った。
志高湖を心から愛すキリコさんと、いつも元気なムンさんと3人で登ったのだが、蛇を異常に怖がる私にキリコさんがこう言った。
「蛇の方が怖いんだから音を立てて歩いてあげたらニョロニョロと逃げますよ」
あの!ニョロニョロは!逃げてたのか!!!私が怖くて!!!!
「実際に戦闘モードに入ったらトグロ巻いてジャンプしてきますから、その時はその場を離れたらいいですよ」
トグロがバネの作用をするなんてことを知らずに50年以上生きてきた。
食わず嫌い、いや、絶対に食わないけど、ただヤミクモに蛇を嫌ってたことを少し反省した。
キリコさんは道中であけびを落として私たちに食べさせてくれたりと志高湖ハイキングの女神である。
しばらく行くと、毒々しい赤いキノコが道端で私たちを待っていた。
ムンさんは「韓国でぇ、赤ちゃんの時に山に住んでて、この毒キノコを食べて泡をふいて病院に運ばれたことがありますぅー。ははは!」
「ははは、、って、大丈夫だったの?」
「そのあとの写真はじぇんぶ、骨組みだけの体で写ってます!ははは!」
「骨と皮だけね、日本語ではそういうよ」
こんな時も外国人の日本語を訂正しながらハイキングしていた。
最も驚いたのは、赤い毒々しいキノコを見て
「わあ、久しぶりだねー、こんなところで再会できるとは!ははは!」と言ったムンさん。
食わず嫌い、どころか「食っても、ひどい目にあっても好き」だとは。
底抜けに明るいムンさんは、骨組みだけだった赤ちゃんの頃の面影もなく立派な体格に成長しているが、「ふつーです。ふつー。偏差値です!ははは」と笑う。
偏差値の使い方違う気がするけど、まあいいか。