企業理念は「皆で一緒に笑うこと」。人が集まる場所が好き、人の笑顔を作るのが好き。
店作りは「町づくり」と語るのは、「Cooking Cafeおしゃべりなスプーン」オーナーの後藤隆志(ごとうたかし)さん。会社名の「Gottsu」は後藤さんのニックネームだそう。
以前の店「夜カフェ10」は、熊本のカフェ運営会社の名前だった。「夜カフェ」の印象が強すぎて、今でも「元、夜カフェ」と呼んでしまう人も多いはず。
今年で7年目になるカフェについて、ごっつさんに話を聞いてみた。
「オープン当時は満員の店内をうまく回せなくて、悪い評価を書かれたりクレームが来たり……苦労の連続でした。メンタル強くないとカフェ経営はできないんですよ」
人のアイデアを聞くのが好きで、若い社員の話にも耳を傾ける。自分にないものが取り入れられるし、自分の世界が広がる感じが好きと言う。
「ある社員はホールとキッチンの動線を徹底的に考えてくれて、ものすごく効率化してくれたんです。自分では考えられない発想が出てくるのがすごいですよね」
家では作られることの少ない、手間のかかる家庭料理がメニューの中心。
「母は料理コンテストに出たり料理教室を開いたりするような人な。僕も調理師免許持ってますが、メニュー作りは母に任せています」
コロナの影響で昼はまあまあ入るが、夜は壊滅的だという。
「去年の春はお客様も激減したから、僕一人でお店を開けてたんです。そうしたら、そういう時に限ってお客様がたくさん来ちゃって。やれスイーツだ、飲み物だ、料理ももちろんあるし。結局、偶然来てた常連さんに手伝ってもらいました」
カフェ経営が大変な状況だが、「今が一番幸せ」というごっつさん。
「もちろん数字のことは頭から離れないし、日々の売り上げや仕入れなど考えすぎるとメンタルやられてネガティブが止まらなくなります。そんな時に、今できることなんだろう?って考えて、そのボタンを押し続けるとどんどん楽しくなっちゃうんです」
島根県壱岐郡の海士町(あまちょう)とのかかわりが、彼のボタンのひとつのようである。
ごっつさんは若い時に4年半海士町で働いていた。今でいう地域おこし協力隊の走りのようなものだったと振り返る。
「商品開発やレストランの手伝い、B型作業所の工賃を上げる施策を考える仕事もしてたんです」
先日、海士町から譲り受けたキッチンカーで別府の福祉施設に行ったごっつさん。
「B型作業所で働く人たちは、お弁当は普段食べるんだろうけど、ミニパフェとか、バナナジュースとかちょっと手の込んだスイーツを食べる機会が少ないらしくて。とても喜んでくれて、僕も嬉しくなっちゃったんです」と、嬉しそうに話してくれた。
出身地の別府でいつかはカフェをやりたいと考えていたが、それを実現した今も新しい「今できることボタン」を押し続けている。
現在は、海士町で新しくオープンするホテルのレストランを任され、大忙しの日々だが、店のシフトに入り、買い出しやホール・キッチンの仕事もこなす働き者。
「今、社員は2人。4人ぐらいまで増やしたいんです。そのためには稼ぐしかありません」
「2時間でも3時間でもお店でおしゃべりしてゆっくりしてください」という気持ちを込めて、店名を「おしゃべりなスプーン」に変えたという。
ぜひみなさんも、おいしくて手の込んだ家庭料理とスイーツを食べて、ゆったりと長居をしてくださいね。
BE@BEPPUおすすめメニュー
ふわとろオムライス 1,280円
ふわっふわでとろっとろのオムライス。お家で作るとこうはならない。
「おしゃべりなスプーン」の情報
住所 | 大分県別府市汐見町3-27 ※旧・夜cafe10 |
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電話番号 | 0977-73-5573 |
営業時間 | ランチタイム 11:00-15:00 カフェタイム 15:00-18:00 ディナータイム 日-木 18:00-23:00(L.O. 22:00) 金・土・祝前日 18:00-24:00(L.O. 23:00) ※カフェタイムもお食事OK |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は翌日休み) |
駐車場 | あり |