伊能忠敬か!
と言うツッコミを入れられた。(伊能忠敬様、申し訳ありません)
今回のガイドブックは、本当に歩いて歩いて、船に乗ってまた歩いて、時には自転車に乗って、そして完成した。
要するに苦手なことばかりをし続けた一年だった。
以前から駅の案内所で手描きのマップを描いていたが、このようなタッチで、しかもiPadで描いた経験はない。
その作業は私の能力をはるかに超えていた。
それでも、毎晩毎晩地図を描いた。主人の「また地図描いてるの?」というセリフを何度聞いたか、もう数えられない。
地図を描いてLINEで送ると、ムンさんから返信がある。
「この道が、少しおかしいです。もう少しこっちから入って、、、、ちょっと動画を見てもう一回送ります!」
ムンさんは全ての道を歩いて動画に納めている。
誰もいない山道でカメラを設置し、わざとらしい演技をしながら歩いて通り過ぎて、またカメラを取りに戻る。そんなことをしていると、普段の山登りの4倍ほどの時間がかかるという。
国東のロングトレイルは、スタート地点とゴール地点がかなり離れていることが悩みだった。
ムンさんはある日思いついた。
ゴール地点に自転車を置きスタート地点へ車で向かう。ひとりで演技と撮影をしながら、6時間のK1コースを歩く。その後、ゴール地点にあらかじめ置いていた自転車に乗り、スタート地点の車まで戻る。
素晴らしいアイデアだった。
しかし、自転車で戻る距離は思ったより遠く、2時間ペダルを漕ぎ続けたらしい。
「坂道もあってけっこうきつかったですー!」とムンさん。でしょうねー。
ということで、その次のロングトレイルの時は、私がゴール地点に迎えに行ってあげると約束した。
ゴールである六所院に迎えに行き、スタート地点の真玉温泉まで車で送ったとき。
「お疲れ様~!」とねぎらいながらも「朝、送っていけばよかったなー」と心の中で後悔した。
ムンさんは真夏に6時間、ロングトレイルを歩いてゴールした状態で、汗の塊だったからだ。(ムンさん、ごめんなさい)
こんな私とムンさんの無茶な計画を上手いことまとめてくれたのは、編集者・泥ぬマコさん。地図に数字を打ってコメントでわかりやすく表示したり、豆知識を入れてくれたり、本当にありがたい。
ご主人のまろさんは背中がゾクゾクするような写真で、またしても表紙を飾ってくれた。
ハイキングアンテナが誰よりも高いなっちゃん師匠は、インスタ映え写真の提供者である。
ガイドブック作りは大変すぎて「もう来年は絶対にしない」と私は毎年言ってるらしい。
しかしながら、出来上がったページをぱらぱらとめくり、ドローンに乗って見てきたような角度から別府の山や街を見下ろし「お。」と気がついた。
ちょっと上から眺めると、いろんなものの位置関係がよく見えるんだよなー。
地上で道に迷ってる時は見えないものが、よく見えるわ。
※ガイドブックの詳細は、こちらをどうぞ!