ミホコシュラン 2

7月3日の朝、起きたらFacebookのお知らせが「今日はMihoko Kawasakiさん のお誕生日です」と教えてくれた。その日の美帆子の妹の美奈子さんやお友達のメッセージを読んでいるうちに、私にできることは何かな、と考えた。「そうだ、ミホコのことを丁寧に思い出してみよう」それがいいと思った。

 

ミホコは、底抜けに明るい性格だった。

「今ね〜、笑いヨガとビューティービューティー体操に通ってるの」

どういうこと?という顔をする暇もなく実演が始まる。

笑いヨガはひたすら大声を出して手を叩きながら笑い続けるという作業、これはまあ、予想がつく。

「キョーコさんもやってみて!」

勘弁してよー!と言いながら、、してしまう。

「あーははは、あーははは、ごめんもう無理。。。」

 

次はビューティービューティー体操。自分が美しいと唱え続けながら頭の上に手を上げて三角形を作りながら腰をくねらせて「ビューティービューティー」と唱え続ける。これはさすがに遠慮した。

笑うことは免疫力を高める、ヨガで体温を1度上げることで病気が治る。こんなことを考えて一生懸命頑張ってたかと思うと切なくなる。

 

ミホコは頭が良かった。

ミホコファミリーを見てたら頭のいい理由はすぐにわかるけど、とにかく記憶力がいいのには驚いた。店の名前、開店時間、お休みの日、場所、おすすめメニュー。

これだけだとただの食いしん坊かと思われそうだけど、温泉に関しても同じようにすべて暗記していた。それどころか、温泉名人修行中の私にとって一番大切な「行ったかどうか、スタンプ押してるかどうか」まで覚えててくれた。

 

温泉名人目指してた一巡目も二巡目も2人で決めた最後の一湯までに「京子さん、ここ行っとかないともう行く時間ないよ」と教えてくれたりして、その記憶力にはいつも感動してた。

せっかくの記憶能力だけど、そのほとんどが別府駅の案内所と私の温泉名人のためと、ビーベップのランチやスイーツ特集のために使ってくれてたと思うともったいなかったかな。

 

人が良すぎる。

何事も良い方にしか解釈しない。

人の性格は良い方だけをみてくれる。優しい。面倒見が良い。

ビーベップのスイーツ特集をした時は、ミホコの得意分野だったので私をあちこちのスイーツのお店に連れて行ってくれた。ミホコのノートはおススメスイーツリストでいっぱいになった。ビーベップの活動でミホコシュランが一番活躍したのがこのスイーツ特集だったと思う。

 

「もし、死んでも、忘れられたくないなあ〜」最後の方にそう言った。

決して弱音を吐かなかったミホコのたったひとつの弱音だったかな。

その時の私は返事に困って「そんなのどっちでもいいじゃん」って言ったけど。

「忘れるわけないじゃん。」

本当はそう言いたかった。

 

人生を大切にする人だった。

1分でも1秒でも楽しいことをしたい。したいと思ったことを絶対にする人だった。

 

人の悪口も言わない、マイナスなことも考えない。ミホコの時間はすべて良いことで満たされてた。

そんな私はミホコと過ごせる最後の時間を大切にできてなかった。

もっともっとたくさん病院に行ってミホコの顔を見ておしゃべりすれば良かった。

入院する前にもっともっとランチにも行けば良かった。

息が苦しくなる前に2人でどこかお泊まりに行けば良かった。

 

「そんなことないよー、キョーコさん、いっぱい楽しいこと一緒にしたし、美味しいところにも一緒に行ったじゃん」って声が聞こえてくる。

ミホコはそういう人。いつもいい方を考えてくれる。

 

最後の最後まで前向きで元気で楽しいことばかり考えてた人。

絶望は決してしない人。

明日はどんな楽しいことしようかって考える人。毎日が光り輝いていた人。

ミホコがいなくなってミホコのことを考えると頭に浮かんでくるのはミホコの優しさと明るさと、そして、強さ。

私もミホコみたいに強く生きようって考えた。

最後の一日、1秒、一瞬まで輝いて希望に満ちた人生を送ろう。そう考えた。

 

ミホコの誕生日の1ヶ月後のその日はミホコが天国に旅立った日になった。

悲しんでばかりじゃダメ、「明日は何しよう!」って考えてワクワクしなきゃね、ミホコ。

ミホコの大好きだった店に今度ご飯食べに行くよ。ミホコの大好きだった人たちとね。

キョーコの部屋
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ビーベップ
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