別府のジモセンの醍醐味は、やはり温泉で出会うおばちゃんたちだと思う。
鉄輪での温泉巡り。ひとつ目のジモセンに行くと、入り口にお地蔵さん、そしてその前に料金箱。100円を入れて脱衣所のドアを開けると3つのスリッパ。
「こんにちは〜」
軽快な挨拶をして、よそ者だけど私は陽気な温泉好きな人間ですよ〜、とさりげなくアピールしながら服を脱ぐ。
「洗面器はここだよ」「ここに座りなさい」「こっちが熱くないよ」
こうやって色々と教えてくれるおばちゃんがいると、ジモセンの楽しみは倍増する。
しかし、いい気分になったとしても次の温泉のためにまだまだ体力を温存しなければいけない。
そそくさと体を拭いて出ようとすると、
「もう出るの!?」
「はい、温泉道のスタンプ集めてるんで、まだもう一つぐらい回りたいのです」
手前で体を洗い始めたおばちゃんが私に温泉道のことを質問し始めた。
「名人のタオルは今はどんな色かえー」
たまたま名人タオルを持っていた私は広げてみせた。
しまおうとしたら
「もう一回広げて見せて〜」
もう一回広げて見せた。
このやり取りの間中、おばちゃんは、なぜか、開脚全開で足を広げたまま、ずっと同じところを丁寧に洗ってる。
私にもおばちゃんの色々なものを広げて見せてくれてる状態である。
※画像はイメージです。 takamint.comさんによる写真ACからの写真
3巡目のスパポートも広げて見せたが、誰も興味がないみたいで、洗うことに忙しい様子だった。
「またおいで、ここの温泉は、鉄輪温泉では一番いいお湯だから」
「はい!ありがとうございます!」
おばちゃんは心も体もオープンにしてくれていたため、私はおばちゃんの方を見ずにお礼を言った。